自家不和合性因子S-RNaseの大腸菌における発現系の構築


GAMAGE, Niranjali2,松浦 孝範1,乗岡 尚子1,吉村 由美1,中西 テツ2,乗岡 茂巳1

1阪大・蛋白研, 2神戸大・農

第72回 日本生化学会大会 (横浜, 1999.10.6-9)

顕花植物の自家不和合性とは自家受粉では受精できない現象で、S遺伝子によって支配されている。配偶体型自家不和合性を示すナス科やバラ科植物では雌しべ側S遺伝子産物がRNase T2型のリボヌクレアーゼであると同定され、S-RNaseと呼ばれている。このS-RNaseを介して、雌しべ - 花粉間の自己・非自己の識別反応が行われるが、花粉側認識物質は発見されず、自家不和合性の本質は現在も不明である。そこで、我々は花粉側認識物質の探索を行う目的で、slutathione-S-transferase (GST) とS-RNaseとの融合蛋白質 (GST-S-RNase) の大腸菌での発現系を構築した。

GSTとの融合蛋白質の発現ベクターであるpGEX-4T-3のmulticloning部位にニホンナシから単離したS3-RNase遺伝子を挿入し、この発現ベクターで形質転換した大腸菌を0.5mM IPTGで発現誘導させ、22°C, 6時間培養した。集菌した大腸菌を溶菌させ、可溶性画分をglutathioneカラムに供し、10mM glutathioneで溶出させた。しかし、得られたGST-S3-RNaseは大腸菌ヒートショック蛋白質であるGroELおよびDnaKが多数結合したもので、リボヌクレアーゼ活性も有していなかった。そこで、させ、可溶性画分をglutathioneカラムに供し、10mM glutathioneで溶出させた。しかし、得られたGST-S3-RNaseをカラムから溶出させる以前に10mM ATP-Mg, 80mM CH3COOKを含む緩衝液でカラムを洗浄したところ、ヒートショック蛋白質は解離し、リボヌクレアーゼ活性を保持したGST-S3-RNaseの精製に成功した。現在、この融合蛋白質をリガンドとしたアフィニティークロマトグラフィーによって花粉側認識物質の検索を行っている。



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松浦 孝範 (MATSUURA Takanori)
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