自家不和合性因子S-RNaseによる花粉リボソーム分解活性の解析


瀬崎 浩史, 松浦 孝範, GAMAGE Niranjali, 乗岡 尚子, 乗岡 茂巳

阪大・蛋白研

第74回 日本生化学会大会 (京都, 2001.10.25-28)

自家不和合性は、高等植物の受精において自己と非自己の花粉を識別し、非自己花粉でのみ受精する性質である。配偶体型自家不和合性では、自他認識を行う雌しべ側因子としてS-RNaseが同定され、自己と認識されたS-RNaseが花粉管内のrRNAを選択的に分解することによりタンパク質合成が停止し、花粉管伸長が阻害され不和合になるという “rRNA分解説” が提唱された。そこで本研究では、配偶体型自家不和合性を示すニホンナシを研究対象に、“rRNA分解説” の検証をin vitroの系で試みた。

ニホンナシ「長十郎」 (S2S3) 花粉から、intactなリボソームを精製し、3種類のS-RNase (S3, S4, S5) を作用させ、rRNAの分解をアガロース電気泳動で追跡した。その結果、3種類のS-RNaseによるrRNA分解が確認され、その分解速度にS遺伝子型特異性は見られなかった。この結果は、 “rRNA分解説” を支持し、花粉側認識物質の存在を強く示唆している。次に、S-RNaseと同じ雌しべに局在しているが、自家不和合性には関与していないnon-S-RNase (存在量はS-RNaseの約30%) についてrRNA分解活性を調べたところ、その分解活性はS-RNaseより約20倍高かった。従って、S-RNaseによる自己花粉管伸長阻害は、S-RNaseの花粉管内への選択的取り込み、或いはnon-S-RNaseのインヒビターの存在に起因すると考えられた。現在、S-RNaseとnon-S-RNaseの花粉管内への侵入速度の相違、および花粉管内のnon-S-RNaseに対するインヒビターの存在を検討している。



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松浦 孝範 (MATSUURA Takanori)
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