緑膿菌多剤排出トランスポーターサブユニットMexAのdisordered domainの結晶構造解析への試み


原田 健一1), 松浦 孝範1), 山下 栄樹1), 鈴木 守1), 中江 太治2), 中川 敦史1)

1)大阪大学蛋白質研究所
2)北里大学基礎研究所

第9回日本蛋白質科学会年会 (熊本, 2009.5.20-22)

近年、薬剤耐性を獲得した病原菌による院内感染が大きな問題となっている。その原因の一つである緑膿菌は、複数の構造および作用点が異なる抗生物質を排出する多剤排出トランスポーターを有する。緑膿菌が持つ多剤排出トランスポーターの主要なものとしてMexAB-OprM複合体が知られており、これは野生型の緑膿菌で恒常的に発現しているが、抗生物質にさらされ、大量に発現されることにより多剤耐性を獲得すると院内感染にとって深刻な問題となる。MexAB-OprM複合体はMexA, MexB, OprMの3成分から成る膜タンパク質複合体である。MexBは内膜を12回貫通し、基質である薬物を認識し、OprMに輸送する。OprMは三量体で外膜に存在し、薬物を膜外に排出する。MexAは内膜にアンカーし、MexBとOprMを連結する。これまでの研究により、MexAは全アミノ酸配列 (369残基) の68%にあたる252残基の原子構造を明らかにした。残りの117残基についての一部電子密度が観測されており、トレースできてはいないがdomain構造が伺えておりdisordered domainとされている。幾つかの生化学実験よりMexA disordered domainとMexBの相互作用が薬剤排出に重要な役割を担っていることが示唆されている。MexAのdisordered domainを構造解析し、MexAとMexBの相互作用に関する知見を得て、薬剤排出機構を明らかにすることを目的として研究を進めている。



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松浦 孝範 (MATSUURA Takanori)
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