緑膿菌の多剤排出ポンプ、MexA-OprM複合体のX線結晶構造解析への試み


米原 涼1), 山下 栄樹1), 原田 健一1), 佐藤 尚紀1), 松浦 孝範1), 鈴木 守1), 村上 聡2), 中江 太治3), 中川 敦史1)

1)大阪大学蛋白質研究所
2)東京工業大学 生命理工
3)北里大学基礎研究所

第10回日本蛋白質科学会年会 (札幌, 2010.6.16-18)

グラム陰性細菌の一種である緑膿菌は人に対する病原性を有しているが、本来、健常者に感染する可能性は低い。一方で、病気等で免疫力の低下した人に感染して日和見感染症の一種である緑膿菌感染症を引き起こし、薬剤に曝されることにより多剤耐性化すること我知られている。多剤耐性化の主な原因は多剤排出ポンプMexAB-OprMの過剰発現である。本ポンプはMexA, MexB, OprMから成る三者複合体である。MexBは複数の基質と結合し、プロトン濃度勾配のエネルギーを用いてOprMに受け渡す。OprMはMexBから輸送された基質を細胞外へ排出する。MexAはN末端に結合した脂肪酸を介して内膜に結合し、MexBとOprMをつなぐと考えられている。各構成ユニットの構造解析により、多剤排出機構の概要は解明されている。一方で、OprMの基質排出口が閉じているために、MexBから受け渡された基質の排出様式は不明である。また、複合体形成時の各構成ユニット間の相互作用も不明である。本研究では、MexA-OprM複合体のX線結晶構造解析を行うことにより、複合体での多剤排出機構の解明を目指す。再構成により複合体を精製するために、MexAおよびOprMの大腸菌高発現系・精製系の確立を行った。その結果、培地1LあたりMexAは40mg, OprMは4mgの終了で精製することに成功した。複合体形成条件を決定するため、ゲルろ過、および、Hisタグの有無を利用したpulldown asayを用いて条件検索を行っている。今回、複合体条件検索の結果を中心にMexA-OprM複合体の構造解析に向けた現状を示す。



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松浦 孝範 (MATSUURA Takanori)
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